日本では、長い間、介護問題は家庭内のことと認識されており、公的な援助のない状態でした。
しかし、世界的にも例を見ないほど速いスピードで少子高齢化が進んだことで、老老介護や介護疲れによる心中などが社会問題になり、他の国では導入されていた介護保険の必要性が認識されるようになりました。

介護保険は、1997年に国会で制定され、2000年から施行された社会保険制度です。
保険の目的は、介護が必要となっても自立した生活が出来るように、社会全体で要介護者を支援することにあります。
保険者は市区町村で、被保険者は第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40から64歳まで)に分けられます。
費用は被保険者が収める保険料と税金で賄われています。
安定的な運営のため、見直しが行われてきましたが、今後高齢者の急増が見込まれるため、2015年に大幅な改正されました。

まず、大きな変更として、利用者が支払う介護サービスの自己負担額の変更があげられます。
それまでは、原則として利用者の1割負担だったものが、一定以上の所得がある人(第1号被保険者のみ)は2割負担となりました。
また、高額介護払い戻しについても、所得のある人の負担限度額が引き上げられました。
一方で、低所得者に関しては段階的に保険料が軽減される仕組みが作られました。
また、これまで全国一律のサービスだった要支援に対するサポートも市区町村に移行されたことで様々なサービスを受けられる可能性があります。
入所待ちの人数が数十万人にのぼる特別養護老人ホームへの入所の条件は厳しくなり、原則要介護3以上となりました。

 
 

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