介護医療院とは、介護と医療の両方を必要とする人たちに対して、より専門的で手厚いサポートを提供するために設立された新たなケア施設です。
これまで、介護が必要な人たちは自宅や介護施設での生活を基本としていましたが、医療の面でしっかりとした支援が必要な場合、そのギャップを埋めるのが難しいという課題がありました。
また、長期間入院が必要な人たちが病院に長く滞在することも、病院側にとっても患者さんにとっても理想的な状況とは言えませんでした。
そこで、介護保険法等の改正法の施行により誕生したのが介護医療院です。
介護医療院では、医療が必要な状態はもちろん、日常生活のサポートが必要な人たちに対して、24時間体制での看護や介護、リハビリテーションサービスを提供します。
利用者は病院と同じくらいの医療サービスに安心感を持ちながら、家庭に近い環境で生活することが可能になります。
介護医療院の特徴は、ただ介護サービスを提供するだけではなく、利用者一人ひとりの状態に応じて必要な医療サービスを組み合わせることができる点にあります。
病院での長期治療からの移行や、在宅での生活が困難になった場合でも、利用者がより快適に自分らしい生活を送ることを支援できるようになったのです。
また、介護医療院の設立は、社会全体の高齢化に伴い、今後さらに増えていくと予想される「医療と介護の両方のサポートが必要な人たち」への対応策としても期待されています。
家族だけでなく地域社会にとっても、安心して任せられるサポート体制が整うことで、高齢者の健やかな生活の維持に貢献する重要な役割を果たしています。
介護医療院は、新たなケア施設としてまだ始まって間もないですが、これからの日本の高齢社会において、その存在がより一層重要になってくることでしょう。